近年、マスメディアやSNSで頻繁に取り上げられていて、社会全体から大きな注目を集めている「AI」。
教育分野でもAIの導入は急速に進んでいて、その活用範囲も日に日に広がっています。
中学受験の国語指導も例外ではなく、「AIで弱点分析」「AIで志望校対策」といった話を目にする機会も増えました。
しかし、実際に指導を行っている立場から言うと、AIは万能ではありません。
この記事では、
- 受験生本人
- 保護者
- 講師・問題作成者
の3つの立場から、各用途でのAI活用について、その是非を考えます。
AIが得意なのは「処理」と「生成」
学習に活用できそうなAIの機能として、次の3つが挙げられます。
- ① 機械処理
- ② 生成
- ③ 分析・判断
このうち中学受験の国語において特に役立つのは①機械処理と、②生成であるというのがわたしの考えです。
AIは人間には到底不可能なスピードで処理・生成できるため、うまく活用すれば学習・指導において大きな助けとなります。
一方、③分析・判断が必要になる以下のような仕事をAIに任せるのは危険です。
- 記述添削
- 学習分析
- 入試傾向分析
志望校合格のための指導には、
- 入試問題の構造を理解し、
- 出題傾向や意図を読み取って予測し、
- その子の状況や個性を把握したうえで答案を総合的に評価し、
- 改善策や学習方法を提案する
という、非常に複雑な判断が求められます。
こうした高度な判断を現状のAIに期待するのは無謀だと言わざるを得ません。
これを前提に、各立場での活用方法を見ていきます。
1. 受験生本人:AIは「差分と表現を見る道具」
受験生ご本人がAIを記述問題の学習に用いる場合、「答えを出してもらう」より「模範解答との違いを確認する」用途で使うのが効果的です。
模範解答と自分の答案を入力すると、以下を機械的に抽出できます。
- 共通語句
- 不足語句
- 表現の違い
差分表示で「どこが異なるのか」を可視化したうえで、「登場人物を入れましょう」「具体的な内容よりも感情について書く必要があります」といった簡単なアドバイスをくれるので便利です。
ただし、そのアドバイス(○○より○○が適切)が正しいかどうかは確かではないので注意しましょう。
入れる要素や使う表現を変えるべき理由が誤っている可能性もありますし、本来はもともとの解答でもかまわないということもありえます。
記述学習に用いる場合は、そのことを頭に入れた上で、うまく「差分の可視化」を行うようにしましょう。
また、添削という観点では、
- 日本語の表現として不自然なところがないか
も教えてくれるので、その確認として使うのも有用ですね。
ただし、問題と答案から解答を考えたうえで適切な添削を行うことはまだできません。
たとえば、わたしが作成した「75字以内」という字数指定の記述問題の添削をさせたところ、「57字」で模範解答を作成したうえで、その解答と比べて添削されました。
指定字数が「75字以内」であれば、原則「71~75字」が模範解答となりますので(四谷大塚のテキスト・テストはそのようなつくりになっています)、文字数という観点だけ考えても、完璧な模範解答を作ることはできていなさそうです。
また、「この子は以前よりだいぶかけるようになっているから、最初にそこを褒めよう」「この子にはこの基本の部分をまず覚えてほしいからここにしぼって伝えよう」といった、わたしたち講師が普段行っているような判断を、AIが自動で行ってくれるということは、当然ありません。
記述学習がAIに添削させるのみでは、ほとんどのケースで不十分なので、ほかの手段にも頼るようにしましょう。
(信頼できる講師などの大人に添削を行ってもらえる環境であれば、AIに添削を行わせる必要性は基本的にないと思います。)
2.保護者:AIは「管理ツール」
保護者の皆様は、学習管理や単純作業のツールとして使うのが適していると考えます。
向いている用途は以下のとおりです。
- 読書リスト・学習メニューの作成
- 語彙問題の生成
- 学習記録の整理
弱点分析や成績分析をAIに委ねるのはおすすめしません。
AIで行うのは学習時間の管理や偏差値推移のデータ整理などのシンプルな作業にとどめ、自分で考えたり、塾の担当者や家庭教師などに訊いたりするのが良いでしょう。
3.講師・問題作成者:AIは「叩き台・機械的な出力装置」
講師や問題作成者にとって、AIはうまく使えば非常に便利なものであり、わたしも大いに活用しています。
具体的には、
- 文章のアイデア出し
- 視覚情報の生成・調整
- 語彙などの説明の出力
- 入力内容を元にした問題作成
のようにAIが生成したものを叩き台にしたり、機械的な出力装置として用いたりするのに適していて、まったく使わない日はほぼありません。
ただし、良質な文章の選定・出題思想の設計・難易度の調整はAIが不得意とするところです。
最終的な教材や問題の質は、やはり人間の判断と技量にかかっていると思います。
AI利用で特に留意したいこと
AI活用における、2026年3月時点の留意点は次の二つです。
① 中学受験国語の理解度は不安定
中学受験において基本的なレベルである文法・熟語の組み立ての文言をいくつかのAI(無料の中では高品質なモデル)に解かせてみると、正解したり間違えたりとムラがありました。
ちなみに、「この問題はAは答えられていて、Bは答えられないが、こっちの問題はBは答えられていて、Aは答えられていない」ということが起きていて、不思議でした。
また、読解問題や文法問題の生成をさせてもイマイチなものが多く、ほとんどの出力は、手を加えなければ出題できるレベルではありません。
学習や指導の判断をAIに頼りすぎないよう注意が必要です。
② ハルシネーションやつなぎ合わせに注意
AIは根拠のない情報をもっともらしい文章で生成する「ハルシネーション」を起こすことがあります。
このリスクを低減する方法として、以下が有効です。
- NotebookLMのように 指定した情報源のみを参照する仕組みのツール を活用する
- 他のAIでも 参照するソースを限定する指示 を行う
根拠のある情報に絞って回答させることで、ハルシネーションの発生確率は下げられます。
しかし、それでも完全に防げるわけではないので注意しましょう。
(以前、とある有名なAIに、ソースのサイトとして弊塾のホームページを指定したうえで「国語専門オンライン指導塾ぶんかい」の先生は誰か答えさせたのですが、間違えられてしまいました。)
また、AIは既存の情報を自然につなぎ合わせて文章を生成する場合も多く、出力をそのまま信用するのは危険です。 そのため、AIの回答はあくまで 補助的な参考情報 として扱い、最終判断は人間が行うことが重要です。
結論:AIはあくまで「補助ツール」
中学受験国語においてAIが真価を発揮するのは、機械的な出力や、叩き台としての生成です。
添削・学習分析・入試分析など、判断が必要な仕事は引き続き人間が担うべきだと考えます。
AIと人間の強みは異なります。
そのことをよく理解し、用途に合わせてAIを活用するのか、人間に頼むのかを判断していただきたいと思います。
※この記事はAI生成を活用して作成しました。生成力、すごい。
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